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無農薬野菜宅配”信州風土や”TOP>踏込温床で無農薬野菜の苗作り
踏込温床で無農薬野菜の苗作り /信州風土や
信州風土や では寒い春先より苗作りを始めます。
まわりでは、まだ白い雪が積もっています。
でも、そんな中 昔ながらの 「踏込温床」 というやり方で苗を育てています。
「踏込み温床」とは、落葉や藁や米糠などを原料にして発酵熱を出させ
その熱を利用して、種を発芽させたり、苗を育てたりします。
今は、電気を使った電熱線などで温度を高めて苗作りをするのが普通です。
今時、この踏込温床をしているのは、一部の有機農家ぐらいでしょう!
では、なぜこの時代に逆行したような方法で苗を?
一番は、この微生物たちが働いてできる発酵熱が面白くてですね。
手間はかかりすぎるんですが。
でも、下記の様なたくさんの利点もあるんです。
・無農薬栽培なので、多くの土壌微生物を苗に住みつかせ耐病性を高めたい。
・電気を使わないので、まさにエコ!
・昼の温度に比べて、夜の土の温度が下がり、ヒョロヒョロした苗になりにくい。
・二酸化炭素がどんどん供給され、健康的な苗ができる。
・発酵熱に利用した後は、翌年の無農薬・無化学肥料の苗土になる。
・おまけで、地域の落葉を拾い、小道もきれいになり感謝される。
こんな先人達のすばらしい知恵を楽しまないわけにはいきません。
ということで、我が家の作り方は以下。
まずはせっせと落葉集め。
毎年、家族で落葉集めを楽しんでます。
しかし、大量です。
およそ、一週間ぐらいで目標とする温度(30℃)くらいになるので、
苗作り開始日から逆算して作業開始します。
作業スタートは、微生物の発酵促進に米糠を振って
微生物の餌として、鶏糞を振って
水を撒いたり
納豆菌などに頑張っていただくために藁を切って混ぜたり
で、
一生懸命混ぜます。
これが結構、重労働!
最近は小さい管理機で混ぜたりしてますが。
すると、3日くらいで寒い3月頃に関わらず、60℃くらいまで温度が上がります。
そして、徐々に温度が下がり、1週間くらいでだいたい30℃くらいになります。
野菜の種の発芽適温であるこのぐらいの温度を4月頃までキープします。
毎年、なんとなく開始する踏み込み温床ですが、それなりにうまくいっているようです。(今のところ)
時々、踏込み温床がうまくいかないとのお話を聞きます。
炭素源の有機物と、チッソ源の材料、それと適度な水があれば、原料はなんでも構わないと思います。
ベチャベチャの水分状態にならなければ、腐敗せず良い発酵に進みます。
微生物が発酵し易い炭素とチッソの比(C/N比)というのがありますので、温度が上がらなければチッソ源を足せばよいですし、逆であれば有機物を足せば良いのではと思います。
踏込み温床の発酵熱でヌクヌク育つ苗たち。
果菜類などは、小さくまとめて発芽させた後、別のポット容器などに移植して
外気が氷点下にならないくらいまで、さらに大きく育てます。
ポットに移植された苗は広い場所に移され、空いたスペースで
踏込み温床の上では、また別の種を発芽させます。
それぞれの野菜の適期になったら、いよいよ畑への植え付けスタートです。
5月頃は、何かと忙しくてなかなか植え付け作業が進まず毎回焦ってますが。